2011年3月11日の東日本大震災により、
岩手県陸前高田市内は壊滅的な被害を受けました。
200年余続く醤油蔵「八木澤商店」もその被害を受けたうちの一つです。
150年使い込まれた気仙杉の木桶で仕込む醤油は「香ばしい」と評価をいただいていましたが、大津波は工場の外壁だけを残し、すべてを流し去ってしまいました。
しかしその翌月の1日、一人も解雇することなく、そして入社予定だった2人も迎え入れました。その後の入社式が偶然にも報道され、それがきっかけで八木澤商店の奇跡はまだ続く…。

偶然、震災前に岩手県釜石市の水産技術センターの研究所に、微生物の研究のために預けておいた「もろみ」が、「残っていた。」と後日連絡がありました。4月の報道を偶然見ていた研究員の方が探しだしてくれていたのだそうです。実はその研究所は海の目の前に建っており、2階まで津波の被害を受けていました。しかし、その瓦礫を掻き分け、そこには1つだけ倒れていないロッカーがあり、そのロッカーの上からあの「もろみ」が見つかりました。その当時、弊社へ持っていっても何もなく、どうすることもできないため岩手県の施設に持って行き、新しく工場ができるまで預かっていただきました。八木澤商店の「もろみ」は幸いにも生きていました。

見つかった「もろみ」は当時4kgから少しずつ増やし、2014年11月、震災から3年8ヵ月にしてようやく『奇跡の醤』の最初の一滴がしぼられました。震災により形あるものは全てを失ったに等しい状態から、200年受け継がれた想いと人と人とのつながりにより、八木澤商店の味が復活した瞬間です。それは「奇跡」であり、「必然」でもあったように思います。

天然醸造

天然醸造とはもろみを醗酵、熟成させる期間一切自動で加温させず、自然の気候の気温のみで醗酵させる昔ながらの醸造方式。
外気の気温が上昇する夏場を二度経過させることにより醗酵を促します。この方式は震災前の八木澤商店の看板商品だった「生揚醤油」と同じ製法です。二夏越させることにより醗酵、熟成期間が増し、塩かどがとれまろやかな口あたりが良い醤油本来のふくよかな味と香りができます。
長い期間を熟成させることはより製造コストがかかりますが、八木澤商店ではあえて長い期間「櫂入れ」をし、五感を活かし最も良い状態で醤油を搾ります。
『奇跡の醤』は成分無調整で搾ったままの醤油を一切調整、調合せず火入れ、充填をしお届けしています。

贈答用にも最適、化粧箱・ぎょく瓶

美麗な化粧箱でお届けするので、ご自宅用としてだけでなく、贈答用にも最適です。容器は昔の日本で醤油の輸出に使用したコンプラ瓶をイメージした陶器のようなぎょく瓶を採用しています。アフターユースも考慮し、卓上瓶としても繰り返し使えるようなっています。
お醤油は日本食に欠かせないものですので、大切な方へプレゼントしても喜ばれる逸品であると思います。